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会計大学院出身者が会計大学院のメリットデメリット卒業した感想を書いておきます。
会計大学院とは
会計を中心に学ぶ大学院。
要件を満たせば公認会計士や税理士の科目免除を受けられるのが特徴。
普通の大学院と同じく2年間通います。
会計大学院と普通の大学院との違い
- 普通の大学院を卒業するともらえる称号「修士」だが、会計大学院を卒業するともらえるのは「専門職修士」(特に得も損もない)
- 普通の大学院は「研究」だが、会計大学院は「勉強」
- なので普通の大学院は授業週1コマとかだが、会計大学院は普通に大学1,2回生並みに授業あります
- 普通の大学院は修論命だが、会計大学院は大学院でありながら修士論文を書かずに修了(卒業)可能
会計大学院と法科大学院の違い
司法試験を受けるには原則法科大学に行くことが条件となっているため法科大学院には司法試験受ける人しかいません。
一方、公認会計士や税理士は会計大学院に行かなくても受けられます。
なので、入学段階ではまだどっちにするか迷っている人やそもそも最初から試験は受ける気のない人もいます。
会計大学院のメリットデメリット
会計大学院のメリット
- 単位の取り方次第では公認会計士の会社法以外の一次試験免除
- 税法に関する論文を書けば税理士会計科目2科目のうち1科目免除される
- 大学卒業後試験勉強をする際、専門学校だと履歴書上は空白になるが会計大学院なら履歴に傷が付かない
- 同じ方向性の仲間ができる
- 論文を書かずに大学院修了の称号が得られる(ただし、税理士試験会計科目免除は受けられない。称号自体を活かせるかどうかは自分次第)
会計大学院のデメリット
- 公認会計士試験会社法以外一次試験免除でも二次の論文試験は会社法以外も受けなくてはいけないので結局会社法以外も結局勉強は必要。(一次試験自力で通ったライバル受験生とも競うことになる)
- 大学院修了の為の必須科目が資格試験受験予定者にとっては試験と関係のないことに時間が裂かれ邪魔
- 結局大学院の授業だけでは不十分なので専門学校にも通いダブルスクールになる
- お金がかかる
税理士を目指すなら会計大学院に行くのはおすすめ
論文さえ書けば、会計科目2科目中1科目確実に完全免除にできます。
論文書きながら簿記論だけに勉強を集中させることができるので力も分散しない分楽だと思われます。
また、会計大学院とは別に法学科大学院ので税法に関する論文を書けばさらに税法3科目のうち2科目も免除もできます。
この手法を使うには大学院に2回通うことになりますが、論文さえ書けば4年後確実に会計科目1科目、税法科目2科目が免除された状態となります。
この4年の間に簿記論、と税法の中でも一番量の少ない酒税法だけを集中的に勉強すれば良いので合格は結構現実的です。
公認会計士目指すなら会計大学院はおすすめしない
先ほども申し上げた通り、一次試験が会社法以外免除になったところで結局二次試験に合格するために勉強しなくてはいけないので微妙。
しかも、この免除が使えるのはあくまでも卒業後なので在学中は一次試験も受けなくてはなりません。
「公認会計士の勉強を大学院に入学してから始める人」や「この先2年以内に合格する気がない人」以外の人があえて会計大学院に入るメリットってあるのかな…って感じがしました。
公認会計士も税理士も目指さない人にはおすすめ
研究者を目指さないけどとりあえず大学院自体に行きたい人、学部生時代、経営学部、会計学部ではなかったけど経営学や会計学を学びたい人(僕)には会計大学院がおすすめ。
会計大学院の授業受けてれば簿記2級くらいは余裕で取れるし、他の大学院で社会にでたら使わない分野の「研究」するよりは内容が「会計」なので潰しが利きます。
大学生で就職決まらなかった人の避難先としても会計大学院はおすすめ。卒論書かなくても修了(卒業)できるし。
あとは、一応モラトリアムが2年伸びるのでその間にじっくり将来の展望を考えたり、遊びに未練がないくらいに遊べる分社会人になってからは仕事に集中できるという効果もあるかも。(大学院中に遊べるだけ遊んでおいて起業した友達もいます)
機会原価を用いて大学院に行く価値を考察してみた